- 2012-01-05 (木) 22:49
- 活動報告
こんにちは。あやです。
新年になりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
プロジェクト結は、4日から活動を再開いたしましたのでご報告です!
新年最初の活動は、石巻市立大原小学校の図書室の整理。
11月頃に教頭先生からご相談を受けていたのですが、
実情を聞いてみると、プロの手をお借りした方が良さそう。。。ということで、
今回は5名のプロをお連れすることになり、この時期となりました。
(文部科学省の元・社会教育課長で図書館公民館海援隊、
震災後はsaveMLAKを進めてらした現・国立教育研究所の神代センター長に協力を仰ぎ、
本の専門家である大学教員・図書館司書・司書教諭を繋いでもらいました。)
大原小学校に着いた時は、雪景色でした。(大原ではめずらしいことだそうです)
まずは、校長先生に図書室についての状況をお聞きしました。
大原小学校は、津波からはぎりぎり免れたものの、
当時は、多くの方々が避難してきました。
最初は体育館に避難していたそうですが、やはりあまりに寒い、ということで、
校舎に入って過ごしていたそうです。
その際に、図書室も避難してきた方々が休む場所として使われ、
地震で落ちてしまった本も、そうでない本も、一気に脇へよけたことによって、
本の並びが分からなくなってしまい、
また、寄付などで新しい本も300冊ほど送られて来たので、
その本も一緒に、「とりあえず本棚に戻した」状況になっていました。
そして、何より図書担当の先生は担任も兼務しており、忙しく、
なかなか図書整理に手をつけられずにいた、ということもありました。
ですので、本の分類や、心地よい図書室づくりも含めて、
プロである、学校図書室や公共図書館の司書の方々や、司書教諭を養成する大学の先生に
お手伝いいただくことになった、ということなのです。
今回参加してくださった方々は以下の5名の方々です。(50音順)
有山裕美子 (私立工学院中高 司書)
太田和順子 (千葉県市川市立新浜小学校 司書 日本子どもの本研究会)
高桑弥須子 (千葉県市川市立富美浜小学校 司書 日本子どもの本研究会)
中村百合子 (立教大学 准教授)
中山美由紀 (東京学芸大学附属小金井小学校司書 専修大学他非常勤講師 saveMLAK有志)
作業としては、「本棚の位置の変更」「本の分類」「本の配架」「分類番号の記入」「新本の登録」
もう、私にとっては、プロの世界にどっぷり浸からせて頂く2日間となりました。
最初は、バラバラの形をしていた本棚を、どこにどう移動すれば心地よく過ごせるか、
バランス良くなるか、などの話から始まり、
移動、再移動、向きを変える。など環境づくりから始まりました。
本棚大移動。
その後は、0~9に本を分類し、
著者順に配架してきます。
新しい本は、登録。
「これは分類なんだと思う?」
「私は4にしてる。」
「私もかな。」
「小学校の学校図書の絵本は、どうしたって、著者順。授業と連動するにはそれが一番。」
「うわぁ!この本、もう廃版なのよね!うちの図書室にも欲しい。。。」
などなど、整理をしている時はもちろん、食事中も、移動中も、お風呂の中も(!)、
ずーーーーーーーーーーっと本の話。
プロフェッショナルであると共に、「もうね、趣味なのよ。」と笑うみなさん。
本当に感動しました。
私はと言えば、本棚の配置換えの時に新しくできたスペースを見て、すかさず、
「プレイマットを敷きたい!いいですか!」
と言ったくらい。。。これが私の唯一の提案でした。笑
2日目は、図書整理だけではなく、なんと、
1・2年生に向けて、本の読み聞かせと語りをしてくださいました!!!
これがまた、大人が聴いてもおもしろい!!!
人に向けて語りかける、ってことは、こんなにも表現豊かで温かいものなのかと
心から思いました。
映像でお伝えできないのが本当に残念です。
十二支の順番がどう決まったか。物語。(方言いっぱいの語りに子ども達も大笑い)
この読み聞かせ・語りタイムがあったので、
放課後、1年生の子ども達が図書室へ遊びに来てくれました。
こうして、ただ図書整理をするだけでなく、子ども達とも触れ合う時間を持てたことを
嬉しく思います。
今回の図書整理を通して、新たに気がついたこと。
専任で司書教諭がいない学校は、どこも先生方が兼務しており、
今回のように、新しい図書が多く入荷したり、配架を一からやらなければならない場合は
本当に作業量が多くなるということ。
そして、大原小学校のように小さな小学校では、教員の人数そのものが少なく、
授業や担任業務で手いっぱいになってしまうことも少なくない、ということ。
学校教育の中で、授業をより豊かにするものの1つとして、図書の役割は大きく、
それを利用しない手はありません。
だけれども、なかなかそれがうまく連携できていない学校も多いように思います。
でも、図書室の整理をし、図書の分類を学んだり、心地の良い環境づくりをしてみることで、
本当に多くのアイデアが浮かんできます。
こうしてプロの方々と連携して、手伝って頂くことで、
多くのことを学ぶ機会を得ることができる。
そんな新たな関わり合いを増やしていけたらいいなぁ、と思っています。
ちなみに、今回は2日間では、ラベルを貼り直すところまではいけませんでした。
ですので、続きは、プロ集団(笑)よりしっかりと引き継ぎをさせていただき、
プロジェクト結のメンバーで継続していきます。
またご報告いたします!!
それでは最後にサービスショットを2枚。
最後、帰りの時間に間に合わなーい!!とバタバタ作業をしていたら、
見かねた校長先生が手伝ってくださいました。
そしてこちらは、今回できた、座敷スペースでくつろぐ教頭先生と記念写真。↓
本当に、温かい学校です!
追記:
プロ集団のおひとり。中村さんのブログで、より専門的な内容がご覧いただけます。
「東京から飛んで学校図書館を考える」
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