2018年を迎えるにあたって
2017年も無事に活動を終えることができました。
日頃からのご支援、ご協力に心より感謝申し上げます。
2017年の1年間は私たちの取組内容が大きく変わった1年でした。
1.仮設団地内での放課後の遊び場である「みんなの場」事業
2.就労支援を目的とした「結のいえ」の託児・保育事業
3.石巻市内の公立校を対象とした学校サポート事業
この3つの取組みのうち、「みんなの場」は復興住宅の完成に伴い、仮設団地にお住いになる方の引っ越しにより徐々にニーズが減っていることを鑑み、活動を終えました。
託児・保育事業は、プロジェクト結の活動拠点としていた湊水産株式会社と連携しながら、内閣府の子ども子育て支援新制度を活用して、それまで事業所の一部を保育スペースとしていたところを、園舎を建設し石巻地方では初めての事業所内託児所として「結のいえ」をリニューアルしました。
https://hibishinbun.com/news/?a=7919
学校サポートセンターの取組も発災から6年が経ち、当初の多様で復旧を目的としたニーズが収斂され、この1年は主に「図書支援」の要請・要望が多くそのニーズに特化した活動を進めました。
石巻在住のスタッフが司書の資格をとり、また石巻市の総合計画として学校司書を配置する事業が始まったこともあり、教育委員会や学校と連携しながら「図書室の復旧」に取り組んだ1年でした。
そんな2017年のテーマは、「挑戦」でした。
私たちにとっては、「事業をやめる(止める)」ということも「挑戦」でした。
石巻で活動するメンバーにとっては、自立して活動を進めていくことも「挑戦」でした。
大きな挑戦から小さな挑戦まで、プロジェクト結に関わるひとりひとりの挑戦が、これまでの量に目を向けた取組から質を重視した取組に変えてくれました。
2018年のテーマは、「復興」です。
「復旧」はこわれたものを元に戻す、つまりマイナスな状態をゼロに戻す作業ともいえます。
「復興」はいまあるものを興す(盛んにする)、プラスな状態をさらに増やす作業ともいえます。
石巻の(被災地の)子供たちを取り巻く環境は、復旧のステージは終わり復興が求められています。
2012年に文部科学省は「創造的復興教育の推進」という中央教育審議会での議論をまとめた指針を発表しています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo9/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2012/06/25/1322792_9.pdf
2012年はまだ復旧のステージでした。
今こそまさに、「創造的復興の推進」が求められるステージに入っています。
これまでに培った経験やネットワーク、学校や地域との信頼関係を生かし、NPOやNGOとの連携を改めて進め、「これまでに芽を出した学びと遊びの取組」や特に「図書支援」に注力し、教育委員会や各学校との連携や協働をもとに、石巻地区の「学校図書館」の復興を進める1年にしたいと思います。
同時に、石巻から離れた場所で生活を送る結のメンバーや賛同者・賛同団体も含めた関係者の皆さんと「次に大きな災害が起こった時に、子供たちの遊びと学びの支援にどう備えるか」ということに対してどのような取組をすべきか、ということも話し合いを通し形をつくる1年にしていきます。
発災から2,488日が経ちました。
当時小学1年生だった子供たちも、中学生になりました。
子供たちの成長とともに、私たちもまた成長を続けられる取組を続けます。
私たちの目的は、「子どもたちの学びと遊びの機会を、あらゆる組織や個人の協力により、持続的に支援すること」です。
やりたい人がやれることをやれるだけ、という原則を大事にしながら、「復興」に取組みましょう。
本年も一層のご支援、ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
2018年1月1日
一般社団法人プロジェクト結コンソーシアム
理事長 長尾彰
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