発災から1,392日が経ちました。

 プロジェクト結コンソーシアムの日頃の活動へのご支援、ご協力に心より感謝申し上げます。


 私達が活動の拠点としている宮城県石巻市は、2014年12月の時点で、人口149,972名のうち24,010名、およそ16%の方が応急仮設住宅および民間賃貸住宅で避難生活をしています。
 復興住宅(市街地)の着工率は53%と、本格的な復興整備にはまだ時間がかかることが予想されます。
※石巻市の本格復旧・復興の進捗状況 平成26年10月 

http://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10181000/8235/261031jokyo.pdf

 2014年は「協働」をキーワードに、石巻在住のスタッフと共に、仮設団地内集会所での「みんなの場」事業、未就学児の託児と学童保育「結のいえ」事業、石巻市教委と連携し市内の小中学校を対象とした「学校サポート」事業を実施いたしました。

 「みんなの場」事業では、仮設住宅にお住まいの保護者を中心とした「ママスタッフ」を有償ボランティアとして雇用し、ママスタッフが主体となる自主的な運営を進めました。

 学校サポート事業は、2名の専任スタッフを雇用し、5月より「石巻学校サポートセンター・結」として、ポータルサイトをオープンし、市内各小中学校の連携と、教職員のサポートに努めました。http://yui-school.org/

 結のいえ事業は、8名の石巻在住保育スタッフが中心となり、2014年12月現在、託児192名・学童48名、合計240名の登録を受け、日々の保育事業を進めました。

 それぞれの事業を、石巻在住のスタッフと共に、関東在住のサポートスタッフと「協働」で事業を進めた1年でした。
次の1年、2015年のキーワードは「連帯」です。

 発災から4年、2011年3月のリアリティは薄れ、生活インフラ上の課題は緩やかに解消されながらも、被災当事者の課題は山積のまま日常が過ぎていきます。支援する側も人的な問題、資金的な問題から多くの団体が石巻を去りました。

 プロジェクト結は「プロボノ(各分野の専門家が、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア活動全般 wikipediaより引用)の集まりとして、東京と石巻、そして全国や海外を結んだ活動を続けてきました。

 離れた場所、多様な立場の方々が協働を続けるために必要なことは、「連帯感」です。

 自分の行動が全体の成果、震災からの復興に影響を与えているという実感。
押し付けの支援ではなく、依存による支援でもなく、子供たちの遊びと学びのサポートに一丸となって貢献できているという実感。
自分が誰かから必要とされ、お互いがお互いの役に立っている実感。

 ソーシャル・キャピタルという言葉があります。
社会や地域における人々の信頼関係や結びつきを表す考え方で、「社会関係資本」と訳されます。

 プロジェクト結は、文字通り、このソーシャル・キャピタルを「資本」として活動しています。

 ひとりひとりの復興に対する思い。

 ひとりひとりの人との繋がり。

 これらの集積をより発揮するためには、さらなる「連帯感」が必要です。
支援する側・支援される側といった関係性ではなく、被災者と非被災者といった関係性でもなく、あれから4年、次の時代を担う子供たちのサポートを、立場の垣根を越え、連帯し共に協働していくことを目指し、「いっしょにやる」ということを重視した1年間にしていきたいと思います。

 今後も一層のご支援、ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

2015年1月1日
一般社団法人プロジェクト結コンソーシアム
理事長 長尾彰

 

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