期間:5月30日(月)~6月3日(金)
参加者: プロジェクト結コアメンバーを中心とした12名が参加
訪問先:石巻市、南三陸町の小中学校や避難所約17カ所

いよいよ本格始動となった「プロジェクト結」の支援活動。
トライアル第1期は、結の運営を行っているコアメンバーを中心に12名が、石巻市、南三陸町を訪問しました。

これまでも結では、直接各学校に伺って「遊び場支援」や放課後の「部活動支援」などを行ってきましたが、より多くの子どもたちの支援をするために、今回は石巻市と南三陸町の小中学校や避難所約17カ所を訪問し、今実際にどのようなことが必要とされているのか、プロジェクト結で可能なことのヒアリングなどを行いました。

震災後2カ月半が経った現地では、仮設住宅の建設が急ピッチで進められており、被害の少なかった学校の校庭が建設用地となっているところが多くありました。体育館も避難所として多くが使われており、子どもたちが自由に遊べる場所が少なくなっています。

また、多くの学校は、避難所などから通う子どもたちのために、臨時バスによる送迎を行っています。子どもたちが安全に学校に通うために必要なバス通学ですが、反面運行時間が決まっているため、子どもたちが放課後の時間を十分に持つことができないのも実情です。

もちろん送迎バスもすべてのエリアをカバーできないので、中には長い時間をかけて徒歩通学をする子どもたちもいるとのことでした。


<仮設住宅が建設されている校庭の様子>

このような状況下で、わたしたちが、各学校や避難所から伺ったことは、主に以下の通りです。 必要なことは日々変わっていくとのことなので、これが全てではなく、たぶん今後ずっとヒアリングを続けていくことが必要だとも感じました。

・学校の登下校の交通手段を支援してほしい。
・親や保護者が働いている間、子どもたちを安全に預かってほしい。
・遊ぶ場所や時間を失った子どもたちが抱えているストレスを解消できるような工夫、支援をしてほしい(場所と機会の提供)
・学校の放課後に行う部活動の支援をしてほしい。
・子どもたちが未来に夢を持てるようなプログラムを提供してほしい(キャリア教育の機会を提供する。活躍している著名人、スポーツ選手などの講演なども含む。)
・授業の遅れを取り戻すための学習プログラムを提供してほしい。

交通手段に関する課題は多くの学校から寄せられていますが、この訪問期間中に一つ力強い支援が実現しました。新潟県越後湯沢、岩原スキー場で「ホテルアルパイン」(www.yuzawa-alpine.com)を経営している横田専務手配による、マイクロバス2台の支援です。

ガーラ湯沢スキー場と神立高原スキー場の協力により、シーズンオフの一定期間、無償貸与を頂き、越後湯沢から南三陸町歌津中学校まで届けに来てくださいました。

<左から横田氏、陸送のお手伝いをいただいたダイシンスポーツ内野氏、プロジェクト結 理事長の長尾、ダイシンスポーツ小林氏。>

たくさんの学校や避難所でのヒアリングが中心となった今回の現地活動ですが、今回特別に同行していただいた元全日本男子バレーボールチーム監督の寺廻 太氏による部活動の支援も行われました。

訪れたのは、歌津中学校の女子バレーボール部。最初は緊張気味だった女の子たちから、次第に元気な声が上がります。
体育館は避難所として使われているため、ネットも張れない不十分な環境下ではありましたが、みんなで練習する楽しさを感じてもらえたのではないかと思います。



<歌津中学校バレーボール部の練習風景。寺廻氏と一緒に。>

部活動支援を終えて、校長先生にごあいさつに伺ったところ、結のメンバー一人ひとりに手書きのメッセージが贈られました。


<安部校長先生よりいただいたメッセージ>

多くの課題と期待、被災地のさまざまな生の声を聴く機会となった今回の訪問。それらの課題に対して粘り強く真摯に向き合っていくことを誓った結メンバーでした。

※歌津中学校の安部校長先生より、後日行われた気仙沼・本吉地区中学校総合体育大会にて、女子バレーボール部が地区大会優勝を果たしたといううれしいご報告がありました。宮城県大会でのさらなるご活躍を、心より祈念申し上げます。