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◆◆ プロジェクト結 ニュース ◆◆ http://project-yui.org/
---- 2014.3.11  [Tue] Vol.52
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皆さん、こんばんは。
プロジェクト結・事務局(現地班)の塚原です。

私は今日、石巻市内のある学校の図書室で黙祷の時間を迎えました。
その前後の時間は今週のボランティアスタッフの皆さんと一緒に、
いつもと同じように本の整理をしていました。

市内の様子はいつもと変わりがないようで、どことなく違うようにも見えました。
それは私の心境がそう見させただけなのかもしれません。

この日はもちろん大切な一日であることに変わりがなく、
でも、同じように毎日が大切な一日なのだ。
今日という一日を過ごしながら、そんなことが心に浮かびました。

それでは本日のトピックスです。

―【目次】――――――――――――――――――――――――――――――――――

◆[理事長メッセージ] 2014年3月11日に

◆[ご寄付のお願い] GlobalGivingによるJapan Matchingキャンペーンのお知らせ

◆[活動]「結のいえ通信」

◆[活動]「現地より愛をこめて」今週のピックアップ

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◆ [理事長メッセージ] 2014年3月11日に

メルマガをお読みいただいている皆さまへ
日頃「プロジェクト結コンソーシアム」へご支援とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
私たちの活動も、もうすぐ4年目を迎えます。設立当初より、最低3年間は活動するということを
決めて活動してきました。そしてこの3年間、実にいろいろなことがありました。

石巻へのボランティア参加者の受け入れは延べ127週・延べ1,100人を超えました。そして44名の
個人・95の企業・法人・自治体から賛同の声をいただきました。石巻で多くの新しい「仲間」にも
出会いました。

その出会いの中に、2人の「遠藤さん」がいます。 遠藤伸一さんと、遠藤みどりさん。

遠藤伸一さんは、木工職人です。渡波地区にお住まいでしたが、ご自宅を流され、3人のお子さんを
亡くされました。花(はな)ちゃんと、侃太(かんた)くんと、奏(かな)ちゃん。
初めてお会いしたのは、2011年の7月頃だったでしょうか。それから3年。
木工職人の遠藤さんと、7つの学校に「テイラー文庫」を設置しました。
石巻で亡くなられたアメリカ人教師で、本が大好きだった外国語指導助手のテイラー・アンダーソンさん。
彼女を偲んでお父さまから石巻の小学校に寄贈された文庫を入れる本棚を、遠藤さんがひとつひとつ、
その学校に合わせて手作りで仕上げていきました。僕は、亡くされたお子さんたちのことを、遠藤さんに
聞けません。どんな想いで過ごされているのか。いつも笑顔の遠藤さん。
「結のいえ」にも遊びに来てくれて、まだ小さい子どもたちを抱きかかえて遊んでくれます。

「あきらさん、俺ね、子どもたちに励まされている気がして。俺がここでくよくよしてたって
しょうがない。きっと子どもたちはどこかで見てる。だから、子どもたちに恥ずかしくないように
生きていくんだ、俺。」 大切な、石巻の仲間です。

もうひとりの遠藤さん。遠藤みどりさんは、仮設住宅での子どもたちの放課後の遊び場「みんなの場」の
スタッフです。 ご自宅を流され、ご主人と3歳と生まれたばかりの姉妹と一緒に、2011年8月から
仮設住宅で暮らしておられます。 姉妹の名前はひーちゃんとちーちゃん。
あの頃まだハイハイもできなかったちーちゃんは、来月から保育園。あの頃、人見知りでみどりさんから
離れることがなかったひーちゃんは、来月から小学生。
遠藤家も、災害復興住宅の抽選に申込み、結果はこの5月にわかります。でも、まだどこに住めるか、
いつから住めるかははっきりとしていません。
「将来のこと、まだどうなるか全然わからなくて不安。でもね、こうやって結のみんなでいるとき、
楽しいんだ。」みどりさんもまた、大切な石巻の仲間です。

人が人を「支援する」ということをずっと考え続けています。
「支援者」が「被災者」を生むことにならないだろうか。「支援者」がしたいことが「支援」なのだろうか。
「被災者」の要求に応え続けることが「支援」なのだろうか。「支援」をすることが、被災者の「自立」を
阻害することにならないだろうか。助け合う、ってどういうことだろうか。「ボランティア」ってなんだろうか。
たくさんの疑問が生まれ続けたこの3年間、最近、少し「答え」が見えてきました。

「いっしょにやる」ということ。与えるでも、分けるでもなく、「いっしょに何かをやる」こと。
「やってあげる」でも、「して差し上げる」でもなくて、「一緒に何かをやる」ということ。

「支援」ではなくて「協働」するということ。当たり前かもしれませんが、「協働」は本当に難しい。
お互いの立場を尊重しながら、それぞれが力を持ち寄ること。
3年間が過ぎて、「あの時のあの気持ち」が薄れていく中で、それぞれが気持ちを「結(ゆい)」に
向け続けること。でも、難しいからこそ、大変だからこそ「一緒に何かをやること」が大切です。

「結」という漢字には6つの意味があります。 (引用:デジタル大辞泉)
1. ひもなどでむすぶ。むすびつける。
2. 組み立てる。構造物・組織体を造る。
3. ばらばらのものを一つにまとめる。まとまる。
4. 固める。固まる。
5. しめくくる。終わりになる。
6. ふさがる。

1年目は、色々な人を結びつけてきました。
2年目は、色々な人の集まりを組み立ててきました。
3年目は、事業や組織をまとめてきました。
4年目は、固まっていきます。
5年目は、いくつかの事業が終わりになるかもしれません。
6年目は、誰かの穴がふさがるかもしれません。

4年目の今年も、どうぞお力添え下さい。
一緒に何かをやりましょう。

一般社団法人プロジェクト結コンソーシアム
理事長 長尾彰

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◆ [ご寄付のお願い] GlobalGivingによるJapan Matchingキャンペーンのお知らせ

昨年皆さまにご寄付を依頼し、113名の方々にご協力いただいた
世界的な寄付プラットフォーム GlobalGiving の
”Japan Matching”キャンペーンが、今年も開催されています。
3月11日(日本時間)の午前0時から、
GlobalGivingのマッチングファンドが10万ドルに達するまで、
あなたの寄付を、GlobalGivingが2倍にして日本の各活動のために届けます。
たとえば、100ドルをご寄付いただきますと、
GlobalGivingが100ドルを上乗せして200ドルを、
石巻の子どもたちの支援のために使わせていただけることになります。

今回掲載いたしました理事長の長尾のメッセージにもありますように、
これからも息の長い協働が必要と考えています。
ぜひ、皆さまのご協力をいただければ嬉しく思います。
マッチング寄付ができるGlobalGiving上の「プロジェクト結」のサイトはこちらです
(支払いはドルですが、日本からカードでの寄付が可能です)
https://www.globalgiving.org/projects/projectyui/

どうぞ、皆さまのご協力をお願い致します。

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◆「結のいえ通信」

『結のいえ』で保育士をしております『あき先生』こと高橋亜紀です。ひとみ先生より
バトンタッチしてお送りいたします。

春の暖かな日差しに包まれたと思ったら、翌週にはまた真冬の寒さに逆戻りの石巻です。

3月といえば桃の節句ですね。「結のいえ」でも、3月3日に 「おひなまつり会」をしました。
ひなまつりの歌から始まり、なぜお祝いをするのか由来のお話や絵本の読み聞かせ。
そして、なんと今年は桃の花を飾って、先生による手作りの笏や扇を子どもたちが持ち、
代わる代わる冠をかぶって写真を撮りました。即席の「結のいえ」写真館では、先生たちが
アンパンマンの人形を片手に「こっちだよ~!」と声かけをします。

まずは、凛々しい顔のお内裏さまに向かって、カシャッ!
次は、ちょっとおすまししているお雛さまに向かって、カシャッ!
あ~あ、眠くて泣いているお内裏さまもいます。 こっちを向いてね、カシャ
頭にかぶる冠が嫌で、渋ーい顔のお雛さまにも、カシャッ

それぞれの子どもたちの個性が現れた、素敵な一枚が撮れましたよ。
写真は、子どもたちがそれぞれの年齢に合わせた内容で作った折り紙のお雛さまと一緒に
お家に持ち帰りました。たくさんの笑顔に溢れた「結のいえ」の 「おひなまつり会」でした。

「結のいえ」は、いつでも見学できます。
最近は毎日たくさんの子どもたちで賑わっていますので、お気軽に遊びに来てくださいね。

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◆「現地より愛を込めて」ピックアップ

○素敵な式典になるよう、お手伝いをしました。
「卒業式・閉校式準備@女川高校」- http://project-yui.org/blog/post/2471

○ぞくぞくぞく…きゃー!
「おばけやしき!」- http://project-yui.org/blog/post/2482

○子どもの創造力って・・・
「あまりにモニュメント的な」- http://project-yui.org/blog/post/2459

その他、仮設住宅での「みんなの場」の様子や、
学校サポートの様子などを随時アップしております。どうぞ、ご覧ください!

□URL:「現地より愛をこめて」 http://project-yui.org/blog/

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◇編集後記◇

こんばんは。学生班の大場です。
私は来週から、約2週間石巻に行きます。
石巻に行くのは昨年の夏以来で、約半年振りです。

私は、石巻で「ボランティア」をしていると思ったことはありません。
私にとって石巻に行くことは、人に出会いにいく、
そこでやれることをやる、そして一緒に楽しむことです。
これが理事長の言う「協働」ってことなのかなと思います。
来週、どんな人に出会って、どんなことを学び、どんなことを考えているのか楽しみです。

次回の配信もどうぞお楽しみに。

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プロジェクト結 ニュース Vol.52
発行:一般社団法人プロジェクト結コンソーシアム
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