日時:2011年11月2日(水)
場所:石巻市立桃生中学校

11月2日(水)3校時~4校時に、石巻市立桃生中学校の全校生徒約190人を対象に25人以上の職業人が仕事内容や仕事観を話す特別授業「キャリア教育セミナー」が実施されました。

このキャリア教育セミナーは、校長先生が生徒に「もっと社会のことを知ってもらいたい」「社会の中で役割を果たせる人間になって欲しい」という思いから3年前から始めた特別授業です。このセミナーの後に、生徒の発達段階にあわせて、1年生は職業調べ、2年生は職業体験、3年生は進路決定を行っていきます。

今回参加した講師陣は、写真家、パイロット、新聞記者、女優、会社経営者、研究者、カウンセラー、美容師、デザイナー、販売員、広告代理店社員、メーカー社員(開発・デザイン担当)、外資系企業社員(マーケティング・調査担当)など多種多様な職業の方たち。中学生が6~7人で1グループになり、1人の職業人から直接お話を聞いていく形式で行われました。

セミナーが始まると、講師陣は、様々な工夫をして中学生の心をつかもうとしました。用意した説明資料を配る人、パソコンの画面を直接見せる人、質問しながら対話形式で進める人、実演しながら説明する人、自社製品を配る人など。最初は恥ずかしがってなかなか発言しなかった中学生も、話が具体例や身近なこと(例えばスポーツ、給食、食べ物など)に及ぶと積極的になってきました。

各講師の仕事説明が終わると、その後「なぜ働くのか」などの職業観について話が進みます。「目の前のことに一生懸命取り組むこと」「自分を追い詰めないこと」「好きなことだから、つらくてもがんばれる」など、様々な熱いメッセージが生徒に届けられました。

【生徒の感想】

今日は、水産会社と生命保険会社の方の話を聞きました。水産会社の方は社長さんが話すということだったので、みんなの上に立っている人の話が聞けるのが自分のためになると思ったから選びました。社長の「世の中に必要じゃない仕事はない」というメッセージが強く心に残りました。 生命保険会社の方は人の命に関わる仕事だから興味を持ちました。営業所の所長さんが来てくださって、「私は部下の給料を上げるために仕事をしている」という言葉が強く印象に残りました。今日の話を聞いて、「今、急いで将来を決めるのではなく、いろいろなことを経験してから決めたい」と思いました。(中学3年生・男子)

今回はアパレルの店員さんと俳優・マネージャーさんの話を聞きました。アパレルの店員さんの方は友達が行くから選んだのですが、俳優・マネージャーさんについては、つい先日修学旅行でフジテレビを見学したので、テレビに興味を持ち、話を聞いてみたいと思いました。 どちらの方からも、「人と人とのつながりが大事。コミュニケーションが大事」だと言うことを聞きました。 人と人とのつながりですべての仕事が決まってくるということだそうです。将来の夢はまだ決まっていませんが、今回や前回(昨年)のセミナーを通して、「まだ夢は決めなくてもいいから、今自分のやっていることを大事にしよう」と感じました。(中学3年生・女子)

 

【宍戸校長先生のコメント】

このセミナーを通して、講師の方々が一生懸命話をしてくださったり、仕事の内容だけではなく生き方、考え方も話してくれることで、その情熱やエネルギーは必ず子どもたちに伝わると思っています。今回は普段出会ったことのないような講師に出会うことができてよかったと思います。来年以降もぜひ続けていきたいと考えています。桃生中学校では、できる限り地域に開かれた学校を目指しています。最近は、外部から指導者を呼んで授業に取り入れたり、例えば合唱コンクールも地域の公民館で行い、幅広い人に見に来てもらえるようにしています。こうして地域とつながり、心と心をつなげていくことが大切だと思っています。

桃生中学校のフォトギャラリーでも当日の様子が紹介されていますので、どうぞご覧ください。
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また、当日参加された毎日新聞論説副委員長の与良正男さんのコラムもこちらでご覧いただけます。
コラムはこちら⇒

 

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