合宿とトライアル第4期活動報告:日常支援での気づき
文部科学省で「プロジェクト結」の活動報告会を行った翌7月9日~10日は、結のコアメンバーが集まって合宿が行われました。
東日本大震災の翌日、副理事長の荻原のツイッターでの呼びかけがきっかけで始まったプロジェクト結は、この4カ月間で徐々に賛同者を増やし、理事長の長尾や理事の中川を筆頭に何度も石巻を訪れ、トライアルも3期を重ねました。活動を支えるコアメンバーたちも、本業と並行して復興支援活動に尽力してきましたが、いよいよ活動が本格化することを踏まえ、今一度みんなが顔をあわせて徹底的に話し合う場が必要だと考えたのです。
合宿では、10数名のメンバーで、1年後の目標と実現のイメージ、それに向けたタスクの洗い出しと必要なチームについて話し合いました。 長期的に実現すべき目標値までははっきりと結論づけられませんでしたが、結が何を基礎として活動していくのかが明確になったと思います。使った模造紙とポストイットは大切に持ち帰り、今後の指針を考える基礎となりました。
今回利用させていただいた栃木県鹿沼市の合宿場所「Biz CAMP」は、プロジェクト結の活動を知った有限会社シンビプロジェクト社の代表の方が快く貸して下さったものです。今回私たちはほとんどの時間を室内で議論して過ごしましたが、目の前に渓流があり、芝生のお庭でゆっくりできるとても素敵な場所でした。
そのコアメンバー合宿が終わるや否や、理事長の長尾、理事の中川と園田はボランティア参加者と合流し、トライアル第4期のために石巻に向かいました。第4期は、ボランティア参加者の事前研修を現地で行い、そのままボランティア活動に向かうというスタイルをとりました。
以下は、結メンバーJによる初日の日誌です。
7月11日(月)
事前研修(9:00〜12:30)
参加者は、体験型の研修に少し戸惑いながらも、自分の内側に意識を向けること、意識が外に持って行かれた時に自分の戻ってくる場所について感じる練習を行いました。その他にも、子どもと関わる時に必要な体験を行い、支援を行う避難所・学校で子どもたちに会うという実践に備えました。
昼食を買って車中で食べながら、石巻の渡波地区から日和大橋を回り、門脇地区を参加者に見てもらいました。門脇地区は、少しきれいにはなっていますが、まだまだ手付かずな場所が多いなぁと感じました。
初めて門脇地区を見た参加者は、少しショックを受けたようでした。ご飯を食べる前に見ていたら食欲をなくしたかも、という声も聞こえました。
放課後支援(16:00~18:00)
南三陸町にある「ホテル観洋」に移動して、小学生の子どもたちの放課後の遊び支援を行いました。先週は特に大きな活動・運動をしていなかったようで、子どもたちは大爆発!ハジけるように動き回っていました。
今回は女性スタッフが多いのも、子どもたちが気軽に訪れる要因だったと思います。本日の活動の振り返り
本日参加したボランティアメンバーからは
- 安全面に注意があまりいっていなかったようだ。
- 子どもたちに自由にさせ過ぎて、あまり注意できなかった。
- 子どもたちはストレスが溜まっているように見えた。
という発言がありました。
また、明日からの活動では、子どもたちの名前を早く覚えたいという声が聴こえました。明日も頑張ります。
お休みなさい。
実は、これまでのトライアル期ではこのような活動日誌はなかったのですが、3期の終わりごろから「現地班より愛を込めて」というタイトルとともに日誌が届くようになり、現地になかなか行くことのできない東京で後方支援を行うメンバーたちにとっても、多くの気づきを得る機会ができ非常に助かっています。
そして4期からは、結メンバーによるものだけではなく、参加していただいたボランティアスタッフによる日誌も届き始めました。
中でも「今日学んだこと」というトピックで伝えられる参加者の気づきには、新しい視点はもちろん、この活動が参加者の心の学びに繋がっている端緒が見て取れることもあり、我々にとって貴重な財産となっています。
せっかくですので、ほんの一部ですが、4期最終日の日誌の該当箇所を皆さまとも共有させていただきたいと思います。
7月14日(木)
トライアル第4期の最終日の振り返り > 今日学んだこと
ボランティアスタッフEさん
- <ホテル観洋>キネクトがあると、子どもが集まる。それは子どもの運動したい、というニーズを満たしているから。
- 支援物資の仕分けが非常に重要だ、ということ。
- ボランティアはできる人がやればいいということ(例えば、家が流されてない人が、流されてしまった人と遊ぶ、ただそれだけでいいのではないか)。
ボランティアスタッフHさん
- 子どもたちとの会話の仕方が変わっていったこと(最初の頃は、小学校の高学年の子と話してもただ素通りされるだけだったのが、後半では返事をしてくれて、会話ができるようになった)。
- 団体行動は大切だということ。
- 昼飯時、「まるか」(注:おいしいお昼ご飯が食べられる場所)のおばあちゃんが、とてもあたたかく接してくれること。
ボランティアスタッフCさん
- 単発で終わらせるのではなく、長期的に関わらなくてはいけないということ。
- 自然体にしていれば、子どもは近づいてくるということ(最初は子どもとの接し方がわからなかったが、4日目にしてわかった)。
- 笑顔で元気にあいさつすることの重要さ。
結スタッフJさん
- 体調管理の大切さ。
- 感謝の気持ちを持つことによって、どんどん人との関係性が深くなるということ。
- 毎回参加するたびに、改善点が見られるということ(そして、それは、現地の人との関わりで見えてくるということ)。
ボランティアスタッフKさん
- 無責任ではいられないということ。
- 石巻の人のボランティアメンバーに対する姿勢として、参加者のこちらが思っている以上に感謝されているということ(市役所の向かいの80代のおばあちゃんとの会話から感じたこと)。
- 物資支援と、遊び支援の大きな違い。人と人との関係性、つながりの重要性(募金活動などは、これまで経験していたが、結に参加して人と触れてみて気づいた点)。
ボランティアスタッフDさん
- 子どものエネルギーの強さ(辛い経験をしている影をまったく見せない子がいっぱいいる。むしろ大人がそこからエネルギーをもらうことを感じた)。
- アンテナを広く張って、いろんな人の声をひろうことが大切だと思った。
- 自分がどれだけ子どもに慣れるかが重要(例えば、キャラを変えるスキルとか、子どもっぽさを全開にする姿勢など)。
この他にも、次の期のボランティアに送るメッセージや、一緒に過ごした仲間への言葉など、たくさんの言葉が日誌につづられていました。たった4日間のボランティアで、自分も変わり、相手との関係性も変わったということでしょう。
今後も回を重ねるごとに、プロジェクト結の支援スタイルが固まってゆくのだと思います。
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