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◆◆ プロジェクト結 ニュース ◆◆ http://project-yui.org/
—- 2021.3.15 [Mon] Vol.特別号
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―【目次】――――――――――――――――――――――――――――――――――

◆[御礼] 休会のお知らせ

◆[御礼] 理事より一言

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◆ 休会のお知らせ

平素はプロジェクト結コンソーシアムへのご支援ご賛同賜り、まことにありがとうございます。
本来であれば10年の節目である3月11日にこのメッセージを発信する予定でおりましたが、当日は各々にとって
少し特別な日となり、静かな時間を過ごしたいという思いがありまして、
本日の発信となったことをご寛恕ください。

当会は、2021年3月11日をもって休会いたします。
たくさんの方々と協働しながら、復興支援団体として活動できたことを深く感謝します。
今後、官民連携のもとでなければ解決し得ない災害が発生し、子どもたちの学びと遊びをサポートすることが
求められた時に活動再開する所存です。

2011年3月11日、あの日、私は都内で仕事をしていました。
午後2時46分、長い揺れ。
すぐさま徒歩で帰宅。
その道すがら、SNSで東日本沿岸の被害の状況を追いました。
家族の無事を確認し、友人たちからも無事の報が届く中、テレビから繰り返し流される津波被害の映像を見つめました。
「さあ、次は東北だ。自分は何ができるだろうか。何をすべきだろうか。」

翌12日、私は理事の中川とオランダに視察研修に旅立つ予定でした。
迷うことなくキャンセルし、副理事長の荻原に声をかけ「何ができるか・何をすべきか」を話し合い、13日には素案を
もとに理事の池田(文部科学省職員)とアドバイザーである鈴木寛氏(文部科学副大臣・当時)と、23時過ぎに暗がりの
フロアで「子どもたちの遊びと学びのサポートを民間の立場で実行する」ことを決めました。

プロジェクト結のはじまりはあの瞬間でした。
あれから10年、
3,653日が経ちました。
活動拠点である宮城県石巻市は、復旧期から再生期、そしてこの3月で発展期の最終年度を迎えます。
134団地7,153戸の仮設住宅はすべて解体され、125箇所4,456戸の復興公営住宅の整備も終えました。
市内の小中学校は、2018年までに移転と統廃合を終えています。
(詳細はこちらの資料を参照ください。 
    https://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10181000/8235/99hukkoujyoukyou_full.pdf)

10年前、仮設団地の集会所の「みんなの場」に遊びに来ていた当時中学生だったYさんは、母親になりました。
そこにボランティアとして参加した当時大学生だったHさんは、石巻の方と結婚し若女将となりました。
当時大学院生だったTくんは、会社勤めの後、独立起業。現在は長野県でドーナツカフェを経営しています。
結の事務所・宿泊所として使わせてもらった湊水産株式会社は新社屋を建設、敷地内には企業内託児所である
「結のいえ保育園」を設立しました。

団体名に冠している「結」という言葉には、いくつかの意味があります。
人と人を結ぶ。
物と物を結わえる。
結合したり、結束したり、団結したり。
農作業などで、互いに労力を提供して助け合うことを「結」と呼ぶこともあります。

それぞれに誰かと誰かが結ばれたり、何かと何かが結ばれていくことで、変化が生まれたり、苦労も生まれたり
言葉にならないようなしみじみとした繋がりがたくさん生まれました。

そして、「結」には「しめくくる」という意味もあります。
結果・結末・完結する。
結びの一番、起承転結。
復旧期から発展期まで、それぞれの支援ニーズの移り変わりの中で、いくつかの事業を終わらせる選択もしてきました。

この10年の間、活動を続けながら考えていたことがあります。
「支援とは何か?」という問いです。
ずっと頭から離れることがありませんでした。
人を助けるってどういうことなんだろう?
復興支援って、一体なんだろう?
活動を続けていく中で自分なりの答えを出せたことがあります。
理想の支援とは、相手が支援を必要としなくなる状態をつくりだし、支援する相手が他の困っている誰かを
支援し始めることです。
そして、私たちは支援することで支援されること、反対に、支援されることで支援することができます。

プロジェクト結が活動を続けられることができたのは、我々の「支援したい、どうにかしたい、なんとかしたい」
というどちらかといえば一方的な思いを受け入れてくださった多くの方々がいらっしゃったからです。
そして、その思いを受け入れてくださった方々、私たちの支援や申し入れを受け入れてくださった方々は、実は
私たちを支援し受け入れることを通して、私たちを支援してくださっていました。

プロジェクト結に関わってくれた人はすべて、相互支援の循環の中で離れることのない緩やかで強い「関係の糸」を
育んできたのだと、この10年の節目に思います。

団体としての活動はひとまずお休みになりますが、この「関係の糸」で育まれてきた友情や愛情や連帯はこれからも続きます。
またいつか大きな災害があったとき、「やりたい人がやりたいことをできるだけ」を合言葉に動き出せるように、糸を
結び続けて欲しいと思います。

ありがとうございました。

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◆ 理事より一言

副理事長:荻原 直紀
10年前に東京で大きな揺れを経験し、無事だった私たちも何かしなければという思いから、プロジェクト結の活動ははじまりました。
しかし、結局のところ、たくさんのことを石巻の方々にしてもらったのは私たちの方だったのかもしれません。
できるときにできるひとができるだけ。人は社会的につながりあって生きるているという当たり前のことを学びました。
関わっていただいたすべての方々に御礼を申し上げます。

理事:池田 陽平
結局、何ができたのかは分かりません。お互い様という中で、自分が何の役に立ったのかも。
でも、僕らのプロジェクト結は、確かに、10年間続けたのです。ゼロから、時間も、お金も、たくさんかけて。
僕は、やって、よかった、と思っています。だから、これからも、やろうと思います。
まずは、ありがとうございました。

理事:園田 真司
これから先も今までと同様に、「いつでも、いつまでも」を胸に日々を過ごしていきます。今後もどうぞよろしくお願い致します。

理事:中川 綾
この10年は長くて短く、どのように受け止めたら良いのか分からず、しばらく考えていましたが、その日を迎えてみたら、
「このまま時は続き、石巻で出会った方々との繋がりも緩やかにつながっていくのだな。」と思う自分がいました。
そして、ここまで変わらずにご縁がある方々に心から感謝しております。
これからの10年も色々あるとは思いますが、どうぞ緩かによろしくお願いします。

理事:樋口 詩子
2011年の春、「何かをやらねば!」という思いで加わった結の活動でしたが、月日が経つにつれ、「石巻に行くことが普通
のこと」になり、「みんなと一緒にする活動」の居心地の良さを感じるようになりました。活動は一区切りがつきましたが、
石巻との距離は変わらない気がしています。これからもよろしくお願いいたします。

理事:三宅 俊介
活動を通じて得たものはたくさんありますが、そのひとつに「支援はそれを受け入れてくれる方がいてはじめて成り立つ」
という考え方があります。あたりまえのことですが、人が正義と信じることを実行する際に忘れがちなことであり、支援に
限らず他者と関わる際に心がけたいことでもあります。我々の活動を受け入れてくださった全ての方々に感謝いたします。
ありがとうございます。

理事:和田 真輝
プロジェクト結の活動を改めて振り返ってみると
人の想いと想いがつながる仕組みや場を提供し続けてきたのではないかと思います。
自分自身もまた、何かできるのではないか、という想いをもって10年前のSkype会議に参加し、
多くの人の協力を得て、様々な人の想いへとつなげていただいて今があります。
今はそのことに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

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プロジェクト結 ニュース Vol.特別号
発行:一般社団法人プロジェクト結コンソーシアム
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